※各指標の定義・根拠・出典等については、こちらのページをご覧ください。
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「入学段階では、どちらが優秀な学生が集まっているか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 専修大学 経済学部 | 日本大学 経済学部 |
大学全体の学部生数(人) | 大学 | 2015 | 17557 | 67251 |
学部の学生数(人) | 学部 | 2015 | 3319 | 6990 |
入試難易度(河合塾) | 学部 | 2016 | 47.5 | 50 |
入試難易度(駿台) | 学部 | 2016 | 47 | 50 |
入試難易度(ベネッセ) | 学部 | 2016 | 59 | 63 |
入学者数(人) | 学部 | 2016 | 906 | 1553 |
競争入試での入学者(人) | 学部 | 2016 | 527 | 723 |
競争入試の割合(%) | 学部 | 2016 | 58.20% | 46.60% |
現役入学者の比率(%) | 学部 | 2016 | 84.7 | 86 |
入試難易度は3社とも日本大経済学部が上の数値を出している。「優秀な学生が集まっているか」という観点からは、日本大経済学部に軍配が上がる。
なお、偏差値操作の手法として用いられる、「競争入試の割合」については、日本大経済学部の方が10%以上低い。一方で「入学定員」については、日本大学経済学部の方が2倍程度と多い。差し引きゼロで、基本的には各予備校が出す難易度をそのまま信じてい良いだろう。
(一般入試、センター試験利用入試などの「競争入試」で入学する学生の方が、推薦入試や附属高上がりの学生よりも学力が高いケースが多く、競争入試の割合を下げることにより偏差値を高く見せる大学もある。また、募集定員が多い方が偏差値が下がってしまう傾向にあるため、本ブログでは、「競争入試の割合」と「募集定員」を比較するようにしている。)
「費用対効果はどちらが高いか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 専修大学 経済学部 | 日本大学 経済学部 |
4年間でかかる学費(万円) | 学部 | 2015 | 428 | 386 |
学生還元率(%) | 大学 | 2015 | 29%以下 | 61%以下 |
奨学費(円) | 大学 | 2015 | 数値なし | 数値なし |
学生一人当たりの奨学費(円) | 大学 | 2015 | 数値なし | 数値なし |
卒業率(%) | 学部 | 2014 | 76 | 82 |
最寄駅の平均家賃(万円) | 2016 | 3.5~4 | 9~9.5 |
4年間でかかる学費については、日本大経済学部の方が40万円程度安い。この差はかなりのものである(学科や専攻によって学費が違う可能性があるため、詳細な比較は各大学のホームページをご確認いただきたい)。
なお、学生還元率や奨学費のデータについては、専修大、日本大の双方とも公式HPからはデータが取れなかったため、比較はできない(情報公開が社会的責任として求められている大学においては、少なくとも「奨学費」くらいのデータは公開してほしいものである…)。
また、キャンパス周辺の家賃を比較してみると、コスト的には専修大の方が割安となることが予想される。(大学と住居が近ければ利便性も高く、充実した学生生活になる可能性が高いという考えからこの家賃相場を比較している)。
留年リスク(4年間で卒業できない比率)については、専修大経済学部が6%程度高い。大きな差ではないが、誤差の範囲とも言えないような差ではある
以上、コストパフォーマンス的には、学費の差を考えると、日本大が有利とみられる。しかし一方で、一人暮らしをするつもりであれば、その差はほとんどなくなるかもしれない。
「どちらの大学が充実した学生生活を過ごせるか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 専修大学 経済学部 | 日本大学 経済学部 |
キャンパス | 学部 | 2016 | 生田【郊外型】 | 水道橋【都市型】 |
1年以内退学率(%) | 学部 | 2014 | 0.5 | 0.5 |
4年間退学率(%) | 学部 | 2014 | 6.5 | 5.8 |
入学者の地元占有率(%) | 学部 | 2016 | 26.6 | 30 |
女子入学者の割合(%) | 学部 | 2016 | 23.6 | 29.5 |
大学全体の女子学生数(人) | 大学 | 2016 | 6762 | 21427 |
大学全体の男子学生数(人) | 大学 | 2016 | 12366 | 46482 |
大学全体の女子学生比率(%) | 大学 | 2016 | 35.40% | 31.60% |
女性ファッション誌登場人数(人) | 大学 | 2011 | 54 | 97 |
受入留学生数(人) | 学部 | 2015 | 56 | 161 |
留学生比率 (留学生数/全学生数) | 学部 | 2016 | 1.70% | 2.30% |
長期留学派遣学生数(人) | 大学 | 2015 | 15 | 134 |
長期留学派遣の割合(%) | 大学 | 2015 | 0.30% | 0.80% |
ST比(人) | 学部 | 2015 | 44.3 | 60.8 |
専任教員数(人) | 学部 | 2015 | 75 | 115 |
一人当たり貸出冊数(冊) | 大学 | 2015 | 数値なし | 4.7 |
<キャンパスの立地>
日本大法学部は、神保町や水道橋駅から徒歩5分程度のアクセス良好な都心部で4年間を過ごす。日本大学は学部によってキャンパスがバラバラであるが、経済学部はその中でも特に便利なキャンパスとなっている。しかし、オフィス街の中に建物が混在して建っているという感じであり、他の大規模大学のようにキャンパスの門をくぐると「大学の自由な空間が広がっている」というような感覚は得られない(実際に訪れてみないと感覚が分からないだろうが…)。とはいうものの、田舎ではなく都市部で大学生活を過ごしたい人にとっては悪くないキャンパスかと思われる。
一方で、専修大経済学部は、川崎市の生田キャンパスで4年間を過ごす。小田急線の「向ヶ丘遊園」から徒歩15分の「郊外型キャンパス」となっている。窮屈感はなくのびのび4年間を過ごせるだろう。
両者を比較すると、キャンパスの立地については、利便性など一般的な価値観では日本大に軍配が上がるだろう。しかし、人ごみが嫌いで伸び伸びと大学生活を過ごしたい人にとっては、専修大のキャンパスも悪くはないかもしれない。
<ドロップアウトリスク>
続いて、誰しも避けては通れない、ドロップアウトのリスク。せっかく頑張って勉強して大学に入学したのに、退学してしまっては元も子もない。双方とも大規模大学であるため、退学率は注視すべきデータであるが、日本大経済学部がやや低いことが分かる。しかし、誤差の範囲であるため、判断材料にはならないだろう。
<学生の属性>
次に、学生の属性を比較していくと、女子学生比率については、日本大学経済学部の方が6%ほど高い。やはり女子学生にとっては都市型キャンパスを好む風潮があると見受けられる。
ただし、大学全体の女子学生比率は専修大の方が高く、キャンパス全体の女子学生比率は、専修大の方が高いと思われる(日本大学水道橋キャンパスを使用しているのは、法学部と経済学部だけであるため女子学生比率は低い)。
また、受入留学生の比率は大差ではないが、日本大学経済学部が高く、「多様な価値観に触れる」という観点では、やや日本大学経済学部が優位と言えるだろう。
<教育面>
次に、教育面を比較していくと、現在、各大学が競うように力を入れている「留学」については、長期留学している学生の割合は日本大学の方が高い。先輩の学生が留学に行っている割合が多ければ、自然と留学が身近になるため、もし留学をしたいと考えているのであれば、注目したい数値であり、一つの判断材料にもなりうるだろう。
一方で、専任教員一人当たりの学生数(ST比)には明確な差がみられ、専修大の方が数値が低い。したがって、「少人数教育」の環境としては専修大が勝っているといえる(キャンパス環境とあわせて、やはり専修大が「伸び伸び」大学生活を送れそうな印象である)。逆に日本大学経済学部のST比は少し高い印象を受けるため、マイナスポイントである。
なお、学生がどれだけ勉強しているかの指標の一つである「一人当たりの貸出冊数」については、専修大のデータがないため、日本大のデータのみだが、4.7冊でやや少ない印象である。日本大の場合、学生数が膨大であるため低く出る可能性はあるが、恐らく一番の理由はキャンパスが点在しており、大きな図書館を整備できないことがあるような気がする(あくまでも推測であるが…)。
上記を総合すると、充実したキャンパスライフという観点から見ると、日本大がやや優勢のような印象を受ける。とはいうものの、少人数教育の環境などでは専修大が勝っており、教育環境を重視する人は実際にキャンパスを訪ねて比べてみると良いかもしれない。
「どちらが幸せな人生を送れる進路に進めるか」
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 専修大学 経済学部 | 日本大学 経済学部 |
主要企業400社への就職率(%) | 大学 | 2016 | 10%以下 | 10%以下 |
卒業生数(人) | 学部 | 2015 | 699 | 1477 |
進学者数(人) | 学部 | 2015 | 4 | 11 |
進学率(%) | 学部 | 2015 | 0.60% | 0.70% |
公務員就職者数(人) | 学部 | 2015 | 27 | 47 |
公務員就職比率(%) | 学部 | 2015 | 3.90% | 3.20% |
警察官就職者数(人) | 大学 | 2015 | 56 | 172 |
国家公務員総合職(人) | 大学 | 2015 | 4 | 3 |
CA採用数(人) | 大学 | 2014 | 数値なし(8人以下) | 11 |
国会議員の数(人) | 大学 | 2015 | 8 | 29 |
上場企業の社長数(人) | 学部 | 2006 | 数値なし(5人以下) | 11 |
社長の数(人) | 大学 | 2015 | 3985 | 22582 |
社長になりやすさ (社長の数/学生数) | 大学 | 2015 | 0.23 | 0.34 |
上場企業の役員数(人) | 学部 | 2006 | 数値なし(46人以下) | 75 |
上場企業の役員数(人) | 大学 | 2015 | 167 | 610 |
上場企業の役員になりやすさ (上場企業役員数/学生数) | 大学 | 2015 | 0.01 | 0.009 |
<公務員になりたい>
学部単体の公務員就職比率は、専修大経済学部の方が高い数字が出ているが、大きな差とまでは言えないため、公務員になりたいからといって専修大を選ぶ理由にはならないだろう。日本大経済学部も遜色ない数値と言って良い。どちらの大学も「警察官」の実績が多いイメージが強い。
<主要な就職先の比較>
専修大学 経済学部 | 日本大学 経済学部 |
神奈川県警察本部 | キッコーマン |
横浜信用金庫 | KDDI |
みずほフィナンシャルグループ | 東京急行電鉄 |
八十二銀行 | みずほフィナンシャルグループ |
エイチアイエス | 三井住友銀行 |
長野県信用組合 | 三菱東京UFJ銀行 |
岡三証券 | りそなホールディングス |
ニトリ | 日本郵便 |
三菱UFJ信託銀行 | 国税庁東京国税局 |
全日本空輸 | 東京都特別区 |
主要就職先については、金融機関を中心に、双方とも多様な業種が並んでいる。
あくまでも、感覚的なものであるが、就職先実績を見る限りは、日本大学経済学部の方が就職実績が勝っているような印象を受ける。
もっとも、いわゆる「学歴フィルター」の対象としては、専修大経済学部と日本大経済学部で大きく差がつくことは考えられないため、いかに充実した(中身のある)大学生活を送るかによって、大企業に就職できるか・できないかは変わってくる。大企業に就職したいからという理由で日本大経済学部を選ぶ判断材料にはなりえないだろう。
<出世した先輩の多さ>
双方とも歴史がある大学であり、上場企業の役員などを「大学全体」として輩出している。学生数の違いを加味した上で比較すると、ほぼ互角である。
ただし、日本大学は日本最大の大学であり、全国にOB・OGが存在し、大企業であればほぼすべての企業に卒業生がいるとも言われている。この事実は強みになるだろう。もちろん、企業によって事情は異なるし、専修大経済学部だからといって不利になることはないだろうから、あくまでも両者を比較した場合の話である。
<どちらの大学が頑張って「改革」しているか>
項目名 | 数値単位 | 数値年度 | 専修大学 経済学部 | 日本大学 経済学部 |
国からの特別補助金支給額 (千円) | 大学 | 2015 | 170,473 | 1,479,950 |
学生一人当たり 特別補助金支給額(千円) | 大学 | 2015 | 10 | 22 |
大学教育の現場では、随分前から「改革の必要性」が叫ばれている(大手大学ほど、その改革が進んでいないともいわれる…)。その観点でどちらが頑張って「改革」しているかを、最後に見てみたい。扱うデータは、改革を行っている大学に国から支給される「特別補助金」の額である。
この数値を比較すると、日本大が勝っており、改革で先行しているイメージがある。
なお、大学通信社による2014年度「改革力が高い大学」ランキング(進学校の進路指導教員が投票することで選定)においては、日本大は19位(20ポイント)、専修大はランク外50位以下であり、高校現場の印象でも、日本大の改革イメージの方が強いようである。
<まとめ>
以上、専修大経済学部と日本大経済学部を比較してみてきた。全般的には、難易度通り日本大学経済学部が優位であると思われる。なお、実際に双方の学部に合格した人の選択を見てみてみると、日本大経済学部に進学した人が94%、専修大経済学部に進学した人が6%(サンデー毎日2014年7月20日号より)という結果が出ている。この結果からみても、現在のところは日本大経済学部が優位といえるだろう。